千紘さんのありがた~いお話

 



 奥さんは浮気しています、という愁子の言葉がなんだか頭を回っていた――。

 いや、どうせ、門馬とは、ゲームか漫画の貸し借りでもしてたんだろう、と真昼の得意料理の明太子スパゲティ、マヨネーズで混ぜるだけ、を食べながら、千紘は思っていた。

「真昼」
「はい?」

「また、門馬から漫画借りたか?」
「いいえ?」

「……ゲームでも借りたか?」

「いいえ。
 あの……借りてきましょうか?」

 いや、そうじゃなくてっ、と思いながら、

「もういい」
と千紘は言った。