千紘さんのありがた~いお話

 


 夕暮れどきのホームセンターの外に真昼はしゃがんでいた。

 倉庫やガーデニング用品や苗などが並んでいるそこに、ベランダに置くのにちょうど良さそうなレモンの木があったのだ。

 青い陶器の鉢に入ったに向かい、
「うち来る?」
と笑いかけてみる。

 植物とも相性ってある、と友だちが言っていたからだ。

『うん。
 行くよ』
と言う可愛い男の子の声を想像していたのだが、実際に聞こえてきたのは、すっかり声変わりした男の声だった。

 しかも、
「真昼さん」
と名前を呼んでくる。

 振り返ると、龍平が立っていた。

 心配そうにこちらを見ながら、
「真昼さん、俺が友達になってあげるよ」
と言ってくる。

「……ありがとう、龍平くん。
 でも、別に話しかける人が居なくて、レモンに話しかけてたんじゃないんだけど」

 そして、今まで、友だちじゃなかったのか?
と思ったとき、気がついた。