「あんなに準備したのに~っ。
焦がしちゃって、弁当箱の三割が冷凍食品になっちゃったのよーっ」
「真昼さん、今日、その話、いっぱいみんなにしたでしょ」
案の定、ショッピングセンターで出会った龍平にそう言われる。
「なんで?」
と書店の駐車場付近で言うと、
「だって、今、全然違う話してたのに、流れるように、弁当の話になって。
脚本にあるセリフを言うように語り出したから」
と言われる。
冷静な分析だな、少年、と思いながら、
「うう、ごめん。
男子高校生に弁当作りの愚痴を言ってもしょうがないよね」
と謝ると、龍平は、
「ちょっと冷凍食品が多めなくらい、いいじゃん。
うちなんて、一割、冷凍食品、一割、夕べの残り。
あとの八割はただの白米だよ」
と言う。
「あー、でも、それは仕方ないんじゃない?
男子高校生のお弁当なんだから」
人生で一番、美味しそうに、米をぐいぐい食べてる時期のイメージだ、と思っていると、龍平が言った。
「……ハートマークでも入れときゃいいんじゃない?」
「え?」



