あたしは眉を寄せて智樹を見た。


「なんでもって、どこまでやるつもり?」


「どこまでだってできるよ。ノドカのためなら」


どこまでだって……?


その言葉にあたしは写真に映りこんでいる千恵美の顔を思い出していた。


武に近づいて、あわよくばあたしから奪ってしまおうとしているに違いない。


「例えば……千恵美を襲うことはできる?」


あたしの言葉に智樹は少しも表情を変えなかった。


むしろ、あたしの助けになれることが嬉しいようで、満面の笑みを浮かべる。


「お安い御用だ」


「……本当に?」


「もちろん」


「襲ったフリとかはダメだよ? 本当に、ちゃんと襲ってよ?」