あたしが言うと、千恵美がキッと睨み付けて来た。


「あんたが智樹を連れ出したんでしょ!」


「だったら何? あたしは監禁されている智樹を助けただけ」


「なんで余計なことするの!? あんたのせいでなにもかも親にバレて、帰る場所がなくなったんだからね!」


そんなのあたしの知った事じゃない。


あたしは思わず大きな欠伸をしてしまった。


「千恵美のお母さんって保守的な人だと思ったんだけど、勘当されたんだ? 意外だねぇ」


「黙れ!!」


唾を吐きかけられてあたしは顔をしかめた。