「大丈夫だよ。抜け出してきたから」


あたしと智樹は当然のように捜索願いが出されていて、事情がわかるまで外出禁止だと言われた。


智樹も同じだったようだけれど、そんなの守るワケがなかった。


「そっか。これからどうするつもりだ?」


「決まってるでしょ。千恵美を同じ目に遭わせてやるの」


あたしは親指の爪を強く噛んで答えた。


「でも、武が邪魔をしてくるだろうな」


「そうなんだよね……」


今日は2人とも休んでいるから、2人で行動している可能性は高かった。


「最初に武をどこかへ呼び出して、拘束しておく必要があるけど、来てくれるかどうか……」


あたしはそう呟いて自分のスマホを見つめた。