小屋に1人になってから何時間経過しただろうか。


手足は痺れて、今ではほとんど感覚がなくなっている。


這うようにしてドアまで近づいてみたけれど、鍵は頑丈にかけられていた。


何度か大声をあげて外に助けを求めてみたけれど、ここは山の中だ。


そう簡単に人が行き来することもなかった。


一通りのことを終えてあたしは大きく生きを吐きだす。


拘束された状態ではできることは限られている。


それに、体力の消耗も激しかった。


「くそっ! 千恵美がいなければ今ごろ武と2人きりになれていたのに!」


あたしは毒づいて奥歯を噛みしめた。


例え体を拘束された状態でも、武と2人きりでいられるならそれでもよかった。