この日から、あたしと智樹の間で監禁場所探しが始まった。


「どういう場所がいいと思う?」


放課後、智樹を自分の家に呼んであたしは地元の地図を広げていた。


智樹は落ち着かない様子であたしの部屋の中を見回し、時々大きく息を吸い込んだりしている。


「ねぇ、聞いてる?」


「あ、あぁ。ごめん、ここがノドカの家なんだと思うと、つい……」


そう言い、ソワソワと身をよじった。


「この部屋で変なことしないでよ」


「な、なにもしないよ」


ブンブンと首を左右に振る智樹。


そんな言葉は信用できなかった。


あたしが部屋を出た途端、ベッドの臭いを嗅いだりしていそうだ。


後でしっかり除菌をしておかないと。