か、葛根湯……。


なんか意外だなぁ。生徒会長だし、しっかり者な印象があったけど、こんなに天然なところがある人なんだな。


「じゃあ、また後でね」


伊勢谷先輩が愛想よくあたしに手を振って、生徒玄関の方へ歩いていく。


もちろんファングループの人たちも、まるで要人警護のS Pみたいにゾロゾロ後について行った。


異常な圧迫感からやっと解放されてホッとしていたら、伊勢谷先輩の隣にベッタリくっついて移動している折原先輩が、こっちをジーッと見つめている。


見つけた獲物は絶対逃がさない的な目つきの鋭さに、あたしはゴクリとツバを飲んだ。


あのひと、目で狙撃できるわ。