「美空ちゃん、オハヨ。いい天気だね」


こっちに近づいてくる先輩の姿を眺めながら、あたしはすっかり浮かれまくった。


うっわぁ…! あたし本当に学園のスーパーアイドルと知り合いになっちゃったんだ!


しかも向こうから話しかけられるなんて、すごいことになったなぁ!


ふわふわの雲に乗ったような高揚感を味わっていたら、伊勢谷先輩の隣にいる折原先輩の視線に気がついて、ギクリと震えた。


折原先輩ってば、人間とは思えないレベルの強烈な視線でこっちを睨んでる。


折原先輩以外のファンの人たちも、真冬のような冷気を発散させてるし。


でも伊勢谷先輩は自分の周りに漂う圧に気がつく様子もなく、ニコニコしながらこっちに歩いてきた。