期間限定『ウソ恋ごっこ』

申し訳なくて恥ずかしくて、顔も頭も火がついたようにカーッと熱くなる。


あたし、伊勢谷先輩やみんなの目の前で、近藤先輩を押し倒して上に乗っかっちゃったよぉ!


もう、本当に最悪! 昨日から近藤先輩とばかり変なトラブルが連続してる。


近藤先輩って、なんか不吉な磁場でも発生させてんじゃないの?


「なんだよ? またチビか。昨日から俺に嫌がらせばかりしやがって。恨みでもあるのか?」


チビと呼ばれてちょっとムッとしたけど、薄目を開けた先輩に下からギロッと睨まれて、あたしは身を縮こませた。


「い、いえそんな。恨みなんて」


ちょっとしかないですよ。


って言いそうになって、慌てて言葉を飲み込んだ。


人を下敷きにしておきながら、さすがにそれはあんまりな言い分だ。たとえ本当だとしても。


とにかく早く先輩の上からどかないと。


「いつまで乗っかってんだよ。早くどけ!」


あたしが動いたちょうどそのとき、先輩もあたしの肩を押そうとして手を伸ばした。


その手がムギュッと、あたしの体の『ある部分』を掴んだ。