期間限定『ウソ恋ごっこ』

キッと見上げる目は赤く充血して、うっすらと濡れている。近藤先輩はその目を見返しながら叫んだ。


「お前を守るために言えなかったんだよ!」


「守るってなんだよ! お前にとって俺は、守ってやらなきゃならないような格下な存在なのか? 俺たちは対等な親友だろ!?」


グッと言葉に詰まった近藤先輩を睨みながら、伊勢谷先輩が涙をこらえるように訴えた。


「もしも最初から言ってくれてたら、どんなに悲しくても、苦しくても、ちゃんと祝福したよ。俺はそんな当然のこともできないクズみたいな男だと、ずっとお前に思われていたのか?」


「司……」


「お前は俺のヒーローだけど、そのヒーローと対等の親友であることが俺の誇りで、心の支えだったのに」


伊勢谷先輩はついに声を震わせ、両手で顔を覆ってしまった。


近藤先輩は、思いもよらないものを見ているような表情で立ち尽くしている。


あたしも放心したまま、伊勢谷先輩が悲しみに暮れる姿を見つめていた。


……伊勢谷先輩は、あたしと近藤先輩が好き合っていたことよりもなによりも、その事実を隠されていたことに一番傷ついたんだ。


正直に話してくれさえすればきっと祝福できたろうに、自分は信じてもらえなかった。


なんでも分かち合い、話し合える存在だと思っていた親友に。