期間限定『ウソ恋ごっこ』

奮い立って、ここまで来たのはいいけれど……。


伊勢谷先輩宅の門の前で棒立ちになりながら、あたしはすでに怖気づいていた。


だって、すごいんだもの。先輩の家が立派過ぎて!


正門越しに見えるヨーロピアンな前庭が、すでに一般家庭の認識を遥かに超えた広さの『庭園』だし。


家の構えもイギリスとかドイツとかの洋館みたい。とんがり屋根の塔とか、ぶっとい煙突もある。


ここから先は一般庶民とは別世界というか、異次元みたいでしばらく威圧されていたけれど、なけなしの勇気を振り絞ってインターホンを鳴らした。


心臓をドキドキさせながら応答を待っていると、『はい』という女性の声がして、緊張で頭が真っ白になる。