物寂しい空気をまといながら空を見上げていた先輩の視線が、ふと動いた。
正面の塀を見て、急になにか楽しいことを思い出したように、口元を緩めてクスクス笑う。
どうしたんだろうと考えて、すぐに思い当たった。
初めて近藤先輩とあたしが言い合いをしたとき、先輩、あそこから塀を飛び越えて逃げたんだった。
あたしは先輩めがけて小石を投げつけて、でもぜんぜん当たらなくて、先輩にノーコンって笑われたっけ。
もしかして先輩は今、あたしとの出会いを思い出しているの……?
食い入るように見ていると、先輩はあのときのように塀へ向かって颯爽と走り出し、塀にジャンプして跨った。
そのまま空を見上げ、目をつむる。
その唇は、ひとつの言葉を嚙みしめるように囁いた。
そして、切なさと優しさの入り混じった表情で両目を開け、しばらく空を見ていた先輩は、そのまま塀の向こうへヒラリと飛び降りて行ってしまった。
正面の塀を見て、急になにか楽しいことを思い出したように、口元を緩めてクスクス笑う。
どうしたんだろうと考えて、すぐに思い当たった。
初めて近藤先輩とあたしが言い合いをしたとき、先輩、あそこから塀を飛び越えて逃げたんだった。
あたしは先輩めがけて小石を投げつけて、でもぜんぜん当たらなくて、先輩にノーコンって笑われたっけ。
もしかして先輩は今、あたしとの出会いを思い出しているの……?
食い入るように見ていると、先輩はあのときのように塀へ向かって颯爽と走り出し、塀にジャンプして跨った。
そのまま空を見上げ、目をつむる。
その唇は、ひとつの言葉を嚙みしめるように囁いた。
そして、切なさと優しさの入り混じった表情で両目を開け、しばらく空を見ていた先輩は、そのまま塀の向こうへヒラリと飛び降りて行ってしまった。


