そもそも、振り始めてからもうどれくらい時間が経ったろう。両腕も肩も悲鳴を上げ始めている。


つ、つらい。かなりつらい。先輩、もう限界です。お願いだから早く戻って来て!


――ガラッ!


「すまん! 待たせた!」


勢いよくドアが開く音と同時に息を切らした声がして、あたしたちの視線がそっちへ集中した。


見れば、レジ袋を持った近藤先輩が大きく肩を上下しながら入り口に立っている。


あぁ、近藤先輩だ! やっと来てくれたー!


「間に合ってよかった」


先輩はそう言って、額の汗を手で拭いながらこっちに歩いてきた。