期間限定『ウソ恋ごっこ』

高飛車な声が急に聞こえてビクッとした。声のした方を見て、さらにギョッとする。


ロング丈エプロン姿の折原先輩が、いつの間にかあたしの隣に立っていた。


刺客(しかく)みたいに気配を殺して忍び寄られたことにも驚いたけど、なによりも彼女のエプロンのデザインにビビった。


真っ白で裾がふんわり広がったデザインは、まるでウエディングドレスみたいだ。


豪華なレースとフリルでビッチリ埋め尽くされているエプロンって、あり?


こんな非機能的なエプロン、見たことない。


「佐伯さん、今日は正々堂々と勝負しましょうね。どっちが勝っても負けても恨みっこなしよ?」


自分が負けるとは微塵(みじん)も思ってなさそうな折原先輩が胸を張る。そして真央ちゃんの存在に気がついて眉尻をクイッと上げた。


「あら、助っ人(すけっと)を連れてきたの? 味方がいないと勝負もできないのかしら?」


さっそくの挑発に真央ちゃんも即座に返す。


「あたしはただの見学者ですから、どーぞお気になさらずに。折原先輩こそ、いつものお仲間はどうしたんですか?」


「仲間? あぁ、彼女たちには来るなと言ったの。これは真剣勝負だから部外者なんて邪魔なだけ」