期間限定『ウソ恋ごっこ』

「ほら、行こうよ」


「うん」


背中を押してくれた真央ちゃんのおかげで、ようやくあたしのお尻は席から離れることができた。


真央ちゃんがそばにいてくれるだけで心強い。おかげで、嫌なことから逃げ出す弱虫にならずに済んだ。


一緒に教室を出て廊下を歩いていると、真央ちゃんがあたしの手をそっと握ってきてくれて、その温かさにまた励まされる。


「調理の制限時間とかってあるの?」


「うん。三十分以内に完成させなきゃいけないの」


そんな会話をしながらふたり一緒に階段を降りて、一階の調理室に着いてドアを開けようとしたら、ドアの向こうから人の話し声が聞こえてきて全身に緊張が走る。


この声、近藤先輩の声だ。もう中にいる。