期間限定『ウソ恋ごっこ』

「真央ちゃん、本当に本当にありがとうね」


真央ちゃんの手を握って感謝の気持ちを伝えたら、真央ちゃんは照れくさそうに笑った。


「やだぁ。めったに人から感謝なんかされたことないから、死亡フラグが立ちそうで怖い」


「なにそれ」


一緒になって笑って、そんな自分に少し驚いた。


あたし、笑えてる。昨日からずっと気分はどん底だったのに。


真央ちゃんの存在って、あたしにとってこれほど大きいんだと実感する一方、先輩たちのことを思った。


あたしが真央ちゃんを大事に思い、傷つけるようなことは絶対にしたくないのと同じで、近藤先輩だって伊勢谷先輩を傷つけるようなこと、絶対にしたくないんだ。


やっぱり本当のことは言えない。秘密にしたままの方がいいに決まってる。


真央ちゃんと一緒にバルコニーを出て教室に向かいながら、あたしは改めて強く思った。