期間限定『ウソ恋ごっこ』

「俺はお前の手料理が食べたい」


顔がカーッと熱くなった。


『お前の手料理が食べたい』なんて、プロポーズの定番じゃん!


女の子にとってパワーワードのベスト3に入るセリフだよ! 先輩、それ自覚して言ってる⁉︎


「こ、こんな失敗作、料理なんて呼べないよ」


「そんなの関係ない。それに、俺が誰のためにオムレツを作ったと思う?」


あたしを見つめる先輩の黒い瞳が、吸い込まれそうなほど甘く魅力的に輝いている。


「お前のために作ったんだ。な、食べてくれるだろ?」


先輩の手のひらの温かさと、優しさに心がとろけそうだ。


体の芯からじんわりと幸福感が湧いてきて、まるで魔法にかけられたように、あたしは素直にうなずいていた。


「じゃあ食べようか。さあ、どうぞ」


満足そうに微笑んだ先輩が丁寧な仕草でイスを引いてくれた。なんだか自分がレディにでもなった気分で、くすぐったい。


お互いの席について、「いただきます」を言ってから食事が始まった。


真っ先に先輩のオムレツをひと口食べて、あたしは感動の声を上げた。


「美味しい!」


外見はツルツル、中はとろ~り。バターの風味と塩味がしっかり効いてる。