期間限定『ウソ恋ごっこ』

「チビ!?」


近藤先輩は動きをピタリと止めて、信じられないものを見たかのように目を真ん丸にした。


「お、お前、どっから湧いて出た!?」


「カーテンの陰から出てきたんです!」


先輩の手に必死にしがみついて叫ぶと、呆然とした先輩の腕から力が抜けた。


「まさかお前、ずっと隠れてたのか?」


「べ、べつに先輩たちの着替えを覗いてたわけじゃありませんからね!? そこは勘違いしないでください!」


変な誤解をされたら大変だと思って、あたしは頬を赤らめながら弁解した。


ポカンと口を開けてあたしを凝視していた先輩の表情が、しだいに変化していく。


笑っているような、呆れているような、そのどちらでもないような複雑な顔をして、あたしに掴まれたままの拳をゆっくりと下ろした。


「本当にお前は、いつもいつも俺を驚かせてばかりだな……」


少し切なさのこもった声でそんなことを言われて、あたしの胸がなぜかキュッと痛んだ。