近藤先輩が怖い顔でジロッとこっちを睨んだ。
でもすっかり調子に乗ったあたしと伊勢谷先輩は、わざとらしく口元を手で隠してクスクスと笑い合った。
「ほら、彬。『本当はうれしかった』って言ってごらん?」
伊勢谷先輩がニヤニヤしながら、近藤先輩の顔を下から覗き込んだ。
近藤先輩は反対側にプイとそっぽを向く。そうすると、ますます伊勢谷先輩のニヤニヤが倍増する。
「たまには素直になってもいいんだよ? さっき耳まで赤くなってたじゃんか」
「なってない!」
「そんなにムキになるってことは、認めてるってことじゃん」
「認めてねえよ! いいから早く水遣り終わらせろ! 時間ねえんだから!」
「あー、話逸らしたぁー。やっぱり彬、照れてるんだぁー」
「うるせえって! ……こんのぉ!」
「うおっと」
怒った近藤先輩がジョウロの水を伊勢谷先輩にぶっかけようとしたら、伊勢谷先輩が素早く避けた。
――ビシャッ!
その結果、伊勢谷先輩のちょうど後ろにいた、素早さのカケラもないあたしが水をかぶってしまった。
しかもモロに顔面直撃。
ビックリしてフクロウみたいに一瞬で体がシュッと細くなる。あくまでも気持ち的に。
でもすっかり調子に乗ったあたしと伊勢谷先輩は、わざとらしく口元を手で隠してクスクスと笑い合った。
「ほら、彬。『本当はうれしかった』って言ってごらん?」
伊勢谷先輩がニヤニヤしながら、近藤先輩の顔を下から覗き込んだ。
近藤先輩は反対側にプイとそっぽを向く。そうすると、ますます伊勢谷先輩のニヤニヤが倍増する。
「たまには素直になってもいいんだよ? さっき耳まで赤くなってたじゃんか」
「なってない!」
「そんなにムキになるってことは、認めてるってことじゃん」
「認めてねえよ! いいから早く水遣り終わらせろ! 時間ねえんだから!」
「あー、話逸らしたぁー。やっぱり彬、照れてるんだぁー」
「うるせえって! ……こんのぉ!」
「うおっと」
怒った近藤先輩がジョウロの水を伊勢谷先輩にぶっかけようとしたら、伊勢谷先輩が素早く避けた。
――ビシャッ!
その結果、伊勢谷先輩のちょうど後ろにいた、素早さのカケラもないあたしが水をかぶってしまった。
しかもモロに顔面直撃。
ビックリしてフクロウみたいに一瞬で体がシュッと細くなる。あくまでも気持ち的に。


