期間限定『ウソ恋ごっこ』

「お前って、本当に鈍くさいな」


「……はい?」


いきなり低い声が聞こえてハッとした。


え? なに? なんか今、唐突(とうとつ)にディスられたような?


わけがわからずに目をパチパチさせていたら、先輩は絵に描いたような不機嫌な顔をした。


「黙れと言えば大声を出すし、静かにしろと言えば暴れるし。タチの悪い反抗期かよ。それとも日本語通じないのか?」


「…………」


「せっかくうまく隠れていたのに、お前のせいで危うく見つかるところだった。いい迷惑だ」


近藤先輩は両手で前髪を搔き上げながら、忌々(いまいま)しそうに大きく息を吐く。


妙にサマになってるその仕草と表情を、あたしはポカンと眺めて、今自分が言われた言葉を頭の中で繰り返した。


鈍くさい?


日本語通じない?


いい迷惑……?