ほー、なるほどね。でも大丈夫。ぜんぜん平気。


「先輩が本当はいい人だって、よくわかりましたから。先輩の行いも、料理の腕も信用します」


自信満々で答えるあたしを見て、先輩はクスッと笑った。


「それはどうも。ご期待に添えるよう努力するよ。じゃあ、さっそく今日から始めようか」


「今日から?」


まあ、早ければ早いほどいいか。なんせ未経験からのスタートだから、時間はいくらあっても足りないくらいだ。


「はい。今日からよろしくお願いします」


お辞儀をするあたしに向かって、先輩が右手を差し出す。


「よろしく」


あたしは元気いっぱいその手を握りしめ、お互いに固く握手をした。


先輩の手の温かさと力強さに一瞬ドキッとしながら、心は明るい希望に照らされる。


よし、きっとなんとかなる! なんとかしてみせるとも!