期間限定『ウソ恋ごっこ』

「つまり折原先輩のあの派手な髪型やケバい化粧は、自分を恋愛対象として見てもらいたいという、彼女なりの努力の証なんですね?」


「そうだ。努力の方向性がズレてるとは思うけどな」


「それ、めっちゃ同感です」


あたしは力強く同意した。


化粧するにしたって、あんな土木作業のパテ塗りみたいじゃなく、もう少しナチュラルにした方が断然いい。折原先輩って土台は絶対悪くないと思うもん。


「なんか折原先輩って、まっすぐ前方の目標に対して、いつも右ナナメ横向きながら全力疾走してる感じですよね」


「世間知らずというか、良家のお嬢様育ちというか、肝心なところがズレてるんだよ。あのふたりはさすが一緒に育っただけあって、そういうところがよく似てるんだ」


「先輩、もしかして毎日ふたりのフォローですごく苦労してません?」


「気苦労ばかりでハゲるんじゃないかと本気で心配してる」


あたしたちは一緒になって笑った。


先輩は楽しそうに笑いながら、ハンカチをたたみ直して、冷たい面がケガしたところに当たるようにする気遣いも忘れない。