期間限定『ウソ恋ごっこ』

「なにしろ兄妹同然だから、完全に恋愛対象外らしい。どんなに折原がアピールしても、妹が甘えてる程度にしか感じていないんだ。司は周りには知られてないけど、実はかなりの天然なんだよ」


知ってる。身をもって知ってる。


なんだか折原先輩が可哀そうに思えてきた。


あたしに同情されてると知ったら怒り狂うだろうけど、それにしたって気の毒だ。


近藤先輩がまたハンカチを濡らして、あたしの足を冷やしてくれる。素直に手当てを受けながら、あたしは想像を巡らせた。


来る日も来る日も鏡に向かって、にらめっこ。


ズラリと揃ったメイク道具を前にして、いつも想うは恋しい人。


今日こそ、気づいてくれるだろうか?


このマスカラが、このリップが、わたしの想いを彼に伝えてくれるだろうか?


いつまでたっても届かぬ切ない想いを……。