期間限定『ウソ恋ごっこ』

急いでバッグを拾って革靴を履いて、木々がズラリと植えられている緑豊かな小径(こみち)を走っていて、ふと気がついた。


……あれ? 誰かいる?


ほんの数メートル先、緑が一番鬱蒼(うっそう)と茂っている庭木の合間に、隠れるように立っている人がいる。


誰だろ? こんなひと気のない場所でなにしてんの?


あぁ、もしかしてあの人もバスの時間に遅れそうで、近道するために窓を乗り越えたクチかな?


じゃあ、そんな所に突っ立ってないで急がないと間に合わないよ?