期間限定『ウソ恋ごっこ』

あのときもこんなふうに先輩とぴったり密着して、心臓が騒いだ。


先輩の肩も、胸も、こんなに固くて厚い。両腕もしっかりと、あたしの体を支えている。


あたしはちょっと小柄ではあるけれど、それでも人間ひとりをこんな軽々と持ち上げるなんて。


先輩って男なんだって、あたり前のことを今さら意識しちゃってドキドキしてきた。


そういえば先輩の手、大きかったな。あたしの胸をすっぽり包んじゃうくらい……。


って、なにを思い出してんの、あたしはー!


プルプルと頭を振って雑念を追い払っていると、先輩が「ん? どうした?」とあたしの顔をのぞき込んできた。


不意打ちで至近距離から凛々しい瞳にジッと見つめられて、心臓が大きくドキンと跳ね上がる。