期間限定『ウソ恋ごっこ』

息を切らしながら階段を一階まで駆け下り、生徒玄関のロッカーから革靴を取り出した時点で、もうかなり時間が差し迫っていた。


ヤバイヤバイ! これじゃ本当に間に合わないかも!


焦ったあたしは、一瞬考えた後、革靴を持ったまま回れ右して廊下を戻り始めた。


このまま生徒玄関から出て、グルッと道なりにバスの待合所に向かってたら絶対に間に合わない。


でも校舎の端っこにあるカフェテリア側から真っ直ぐ突っ切れば、かなり距離をかせげる。


あたしは帰宅する生徒が大勢いる生徒玄関から離れて、カフェテリアに向って走った。


営業時間を終えたカフェテリア周辺は、いつものお昼休みの賑わいが嘘みたいに静かだ。


カフェ入り口手前の窓をガラリと開けて、バッグと靴を外へポイと放り出す。


そして窓枠に掴まりながら身を乗り出して、窓を越えて飛び降りた。