「お前ら、廊下のど真ん中でなにやってんだよ」
不意に聞こえた低い声が、この緊迫した空気を破った。
折原先輩の背後の人混みがザワつきながらふたつに割れていく。そこから意外な人物の姿が見えて、あたしは目を丸くした。
……近藤先輩! なんでここに!?
「近藤君、邪魔しないで」
折原先輩が後ろを振り返りもせず言うと、近藤先輩も静かに答えた。
「そっちこそ通行の邪魔なんだよ。それに折原、今の自分の顔を鏡で見てみろ」
近藤先輩は少し声のトーンを和らげて、諭すようにゆっくりと言った。
「その顔、司に見せられるのか?」
そのひと言で、折原先輩の表情から険悪さがスッと薄らいだ。
ちょっとだけ動揺したように瞳を揺らして、でもすぐまたキュッと唇を結んで、あたしを睨む。
そのまま、あたしと先輩は無言で見つめ合った。
折原先輩の肩越しに、こちらの様子を腕組みしながらじっと見守っている近藤先輩が見える。
その無言の圧を感じたのか、折原先輩は不満そうな顔をしながらも、結局なにも言わずに「ふん!」と大きく息だけ吐いて、あたしに背中を向けて歩き出した。
「みんなも早く教室に戻りなさい! もう本鈴鳴るわよ!?」
八つ当たり気味に怒鳴りながら、ツカツカと早足でこの場から去っていく。
不意に聞こえた低い声が、この緊迫した空気を破った。
折原先輩の背後の人混みがザワつきながらふたつに割れていく。そこから意外な人物の姿が見えて、あたしは目を丸くした。
……近藤先輩! なんでここに!?
「近藤君、邪魔しないで」
折原先輩が後ろを振り返りもせず言うと、近藤先輩も静かに答えた。
「そっちこそ通行の邪魔なんだよ。それに折原、今の自分の顔を鏡で見てみろ」
近藤先輩は少し声のトーンを和らげて、諭すようにゆっくりと言った。
「その顔、司に見せられるのか?」
そのひと言で、折原先輩の表情から険悪さがスッと薄らいだ。
ちょっとだけ動揺したように瞳を揺らして、でもすぐまたキュッと唇を結んで、あたしを睨む。
そのまま、あたしと先輩は無言で見つめ合った。
折原先輩の肩越しに、こちらの様子を腕組みしながらじっと見守っている近藤先輩が見える。
その無言の圧を感じたのか、折原先輩は不満そうな顔をしながらも、結局なにも言わずに「ふん!」と大きく息だけ吐いて、あたしに背中を向けて歩き出した。
「みんなも早く教室に戻りなさい! もう本鈴鳴るわよ!?」
八つ当たり気味に怒鳴りながら、ツカツカと早足でこの場から去っていく。


