君への愛は嘘で紡ぐ

そのため、私が働くことにした。


少しずつお金を貯めていき、自分で稼いだお金で玲生さんの願いを叶えるつもりだ。


病室で教えてくれた、玲生さんのやりたいこと。
お父様に頼んでやることは容易だ。


だけど、玲生さんはやりたいことは自分のお金でやっていた。


なんとなく、私もそうしたいと思ったのだ。


一人でもウエディングドレスを着て写真を撮るだけができると聞いたことがある。
それで許されるのかわからないけれど、我慢してもらおう。


旅行にだって行くつもりだ。
玲生さんがどこに行きたいのかを聞き忘れたが、とにかくたくさん出かけよう。


一人旅は寂しいかもしれないから、希実さんと行くのも悪くない。


料理に関しては去年あたりから希実さんと交代しながら作るようになるまで上達した。


もっと早くから料理の練習をしておけば、玲生さんにたくさん食べてもらうことができたのに、と後悔している。


仏壇の前に正座し、鐘を鳴らす。


「おはようございます、玲生さん。今日の夜はピーマンの肉ずめを作りますよ。楽しみにしていてくださいね」


立ち上がり、身支度を整える。
もう一度仏壇の前に立つ。


「では、行ってきます」


今日も玲生さんの最後の願いである笑顔で前に進もう。