「ウエディングドレス……」
「ドレスは着飽きたから、着たくないか?」
玲生さんには私がウエディングドレスを嫌がっているように見えたのだろう。
本当は、憧れがあってただ呟いただけなのだが、伝わらなかったらしい。
「まあ、嫌でも絶対着てもらうけど」
そう言いながら、もう一本指を立て、ピースサインを作る。
夢を語る玲生さんがとにかく楽しそうで、私まで楽しくなってくる。
「あとは、円香といろんなところに行きたい。日本でも世界でも、有名なところ。今まで遠出できなかったし」
玲生さんは笑って言うけれど、私は上手に笑えなかった。
「ん?旅行もダメ?」
「違いますよ」
話を聞いて楽しんでいるはずなのに、態度に出ているのはそれと真逆のものだった。
私は、玲生さんに不快な思いをさせてばかりいる。
そう思うと、余計に上手く笑えなくなる。
すると、玲生さんは両手で私の頬を挟んだ。
そして手のひらを回すように動かす。
「笑えー」
その行動がおかしくて、くすくすと笑ってしまった。
玲生さんは安心した顔をして、手を離した。
「そうだ、もう一つあった」
「もう一つですか?」
聞き返すと、玲生さんは頷いた。
「ドレスは着飽きたから、着たくないか?」
玲生さんには私がウエディングドレスを嫌がっているように見えたのだろう。
本当は、憧れがあってただ呟いただけなのだが、伝わらなかったらしい。
「まあ、嫌でも絶対着てもらうけど」
そう言いながら、もう一本指を立て、ピースサインを作る。
夢を語る玲生さんがとにかく楽しそうで、私まで楽しくなってくる。
「あとは、円香といろんなところに行きたい。日本でも世界でも、有名なところ。今まで遠出できなかったし」
玲生さんは笑って言うけれど、私は上手に笑えなかった。
「ん?旅行もダメ?」
「違いますよ」
話を聞いて楽しんでいるはずなのに、態度に出ているのはそれと真逆のものだった。
私は、玲生さんに不快な思いをさせてばかりいる。
そう思うと、余計に上手く笑えなくなる。
すると、玲生さんは両手で私の頬を挟んだ。
そして手のひらを回すように動かす。
「笑えー」
その行動がおかしくて、くすくすと笑ってしまった。
玲生さんは安心した顔をして、手を離した。
「そうだ、もう一つあった」
「もう一つですか?」
聞き返すと、玲生さんは頷いた。



