それは、お父様が決めただけだ。
私が望んだことではない。
「……政略結婚など、したくありません」
子供のように拗ねた態度をとってしまった。
「お嬢様ってのも大変なんだな」
どうしてこの人は私に告白をしておきながら、このような他人事のような態度ができるのだろう。
「あの感じだと、王子は相当お嬢様のことが大切なんだろうな。よかった」
よかった?
「……どういう意味ですか」
何がいいのか、全くわからない。
それに、鈴原さんが大切なのは、私ではない。
私の立場と、小野寺という名だ。
「お嬢様のこと、ちゃんと大事にしてくれそう」
違う。
彼が私を大切にしてくれるかなど、どうでもいい。
「……私が鈴原さんを選ぶと、ここには来れなくなりますよ」
「マジか。それは困るな」
真剣な表情で間髪入れずに答えたから、少しおかしくて笑ってしまった。
「困るのですか?」
笑いながら聞いたが、笠木さんがまっすぐ私を見つめてきたため、笑うのを止める。
「やりたいことを我慢するのは、好きじゃないからな」
笠木さんだ、と思った。
ずっと笠木さんと話していたが、あのころの笠木さんに出会えたような気がした。
私が望んだことではない。
「……政略結婚など、したくありません」
子供のように拗ねた態度をとってしまった。
「お嬢様ってのも大変なんだな」
どうしてこの人は私に告白をしておきながら、このような他人事のような態度ができるのだろう。
「あの感じだと、王子は相当お嬢様のことが大切なんだろうな。よかった」
よかった?
「……どういう意味ですか」
何がいいのか、全くわからない。
それに、鈴原さんが大切なのは、私ではない。
私の立場と、小野寺という名だ。
「お嬢様のこと、ちゃんと大事にしてくれそう」
違う。
彼が私を大切にしてくれるかなど、どうでもいい。
「……私が鈴原さんを選ぶと、ここには来れなくなりますよ」
「マジか。それは困るな」
真剣な表情で間髪入れずに答えたから、少しおかしくて笑ってしまった。
「困るのですか?」
笑いながら聞いたが、笠木さんがまっすぐ私を見つめてきたため、笑うのを止める。
「やりたいことを我慢するのは、好きじゃないからな」
笠木さんだ、と思った。
ずっと笠木さんと話していたが、あのころの笠木さんに出会えたような気がした。



