朝六時五十九分。
寝ぼけながら枕元で目覚ましが鳴るのを待つ。
一分後に鳴ったそれを止めて、体を起こす。
すると、遠慮気味にノックの音がした。
「はい」
寝起きの声は小さかった。
返事をしたことで、ノックをした者がドアを開ける。
その場で流れるように頭を下げる。
「おはようございます、円香お嬢様」
「おはよう、柳」
私の挨拶を聞いた執事は、部屋に入ってカーテンを開ける。
朝日の眩しさに目を細める。
だけど、おかげで少しずつ意識がはっきりしてくる。
「お嬢様。本日より新しい学校になります」
柳は歯切れが悪く、どこか不機嫌そうに見える。
「柳?」
「……失礼ですが、お嬢様。本当に通われるのですか?お嬢様には不釣り合いのように思います」
随分とはっきりした物言いだ。
恐らく、いや、間違いなく、柳の本音だろう。
転校先が決まってから今日まで何も言ってこなかったが、当日になって黙っていられなかったのだろう。
「少し……疲れたの。今の私には、ちょうどいいの」
それでも柳は顔を顰めている。
しかしどれだけ不機嫌そうにされても、決まったことは覆せない。
「……着替える」
寝ぼけながら枕元で目覚ましが鳴るのを待つ。
一分後に鳴ったそれを止めて、体を起こす。
すると、遠慮気味にノックの音がした。
「はい」
寝起きの声は小さかった。
返事をしたことで、ノックをした者がドアを開ける。
その場で流れるように頭を下げる。
「おはようございます、円香お嬢様」
「おはよう、柳」
私の挨拶を聞いた執事は、部屋に入ってカーテンを開ける。
朝日の眩しさに目を細める。
だけど、おかげで少しずつ意識がはっきりしてくる。
「お嬢様。本日より新しい学校になります」
柳は歯切れが悪く、どこか不機嫌そうに見える。
「柳?」
「……失礼ですが、お嬢様。本当に通われるのですか?お嬢様には不釣り合いのように思います」
随分とはっきりした物言いだ。
恐らく、いや、間違いなく、柳の本音だろう。
転校先が決まってから今日まで何も言ってこなかったが、当日になって黙っていられなかったのだろう。
「少し……疲れたの。今の私には、ちょうどいいの」
それでも柳は顔を顰めている。
しかしどれだけ不機嫌そうにされても、決まったことは覆せない。
「……着替える」