「悪」が似合わない君と。




「おいトンボ、急に黙り込んでなんだよ」


む!トンボトンボうるさいな!



「トンボじゃありません!!私は篠瀬美花です!しーのーせーみーはーなー!」



「へえ、で、トンボ」


な、なにーー!?



こいつわかってやってやがる!


ニヤついてやがるううう!!


くっそおおお!



っていうかアンタはだれなんだよ!


「で、あなたは?」


「は?」


「あんたは誰ですか、普通相手が名乗ったら自分も名乗るでしょ?」


私の言葉に急に静かになる


ざわついていた後ろのダメ男集団も静かになった


「あ、あれ?違います?」


普通名乗るよね?あれ?違うのか?


「フハ!いや、間違ってねぇよ」


え?


「…俺は、龍堂慧だ。よろしくなトンボ」


……へ?


リュードーケー?

ええ!こいつがリュードーケー!?


なんか普通!

顔はかっこいいけどなんか普通!

もっとゴリラみたいな人だと思ってた!



「なんだよ」

「え、あ、いえ、リュードーケーって名前は知ってたけど
なんかもっとゴジラみたいな人だと思ってたから」


「ゴジラ?」


あ、違う、ゴリラ

まあどっちでもいいけど



「ゴジラねぇ…ク、クハハハハ!」


わ、笑われた!

笑いすぎじゃない!?