「悪」が似合わない君と。

彗side



呼び出された校舎裏


俺はイライラしていた


さっさとしてくれよ
トンボが待ってんだよ
俺は早くそっちに行きたいんだ


約束の時間を取り付けたのは向こうのくせになんで俺が待たないといけないんだよ


しばらくしてなんかいつもよりチャラチャラして、着飾った美優ってやつが来た


「龍堂くん…あのね?」


な、なんだ

めっちゃ見上げてくるんですけど

こんな近づく必要ある?


「美優ね、龍堂くんのこと、好きなの」


…お、おお


「美優と、付き合ってくれる?」


…こ、告白?


喧嘩じゃなくてよかったけど…これはこれで…


トンボは…わかってたのか?


なんかそれっぽかったけど


じゃあ、気持ちが変わらなかったらってのは…


俺が、この女の要求を飲まなかったらってことか


そんなの…


「…ごめん」


「え?」


「俺好きなやついるんだ」


「え、嘘でしょ?」


いや、なんで嘘つくんだよ


「だからお前の気持ちには答えられない」


…これでいいのか?


「美優じゃダメってこと?」


「ああ」


瞬間、分かりやすいほど顔が歪んだその女


「な、なんで!絶対美優の方が可愛いよ!その子より満足させられるよ!」


なんでお前がそんなのわかるんだよ


「ね、美優のこと、好きにしていいんだよ?」


カッターシャツのボタンを外して俺を見上げる

普通の高校生だろ?

こんなことすんの?


それに俺はどんなけ得を積まれたって気持ちを変えられない


「…ごめん」


「…なんで?」


「その子のことがスッゲェ好きなの」


「美優より…かわいい?」


「少なくとも俺の目にはそう映る」


あいつを超える女なんて見たことないよ


いつも真っ直ぐでひたすら真っ直ぐで


強くて優しくて、信念をしっかり持った


その全てが愛しい子



「俺はその子が好きだから」





「なに…それ…意味わかんない…絶対美優の方が可愛いのに…」


その自信はどっからくるんだ


「どうせあの子でしょ!篠瀬美花!!」


なっ!


「ふん!見てればわかるのよ!いつもいやらしい目で見てたし!まじ意味わっかんない!!
もういいし!たいして好きじゃないし!」


え、え〜


なんで俺が悪いみたいになってんだよあのクソアマ


おおまたでズカズカといなくなった面倒なやつ