「悪」が似合わない君と。



「トンボ」


!!


この声に思わず勢いよく振り向いた


壁にもたれかかっていたリュードーさん


「リュードーさん」


「ありがとう龍堂くん」


え?


「ここに来た時に彼に会ってね。少し話をしたんだ」


「そうだったんだ」


「彼にもものすごく迷惑をかけたから謝罪をって思って」


夏兄さん


「そしたらお前が男に絡まれてるからびびった」





「そいつが俺に行かせてくれって言ったから行かせた」


そうだったんだ


「せめてもの償いだよ」


「ありがとう夏兄さん」


「うん…それにしても龍堂くん」


「なんだよ」


「声かけるタイミング悪いね。せっかく抱きしめてもらえたのに」


なっ!!


「なっ!は、たまたまに決まってんだろ!」


リュードーさんが焦ったように言った


「はは。いや、その気持ち大事にしてね。ハナちゃんをよろしく」

ん?

「夏兄さん?」


「俺は大阪に戻るよ。もう一度叩き直してくる」


大阪に…

「…そっか」


「ハナちゃんの家族であることに変わりはないから、辛くなったらいつでも呼んでね」


そう言って笑った夏兄さんは私の知る、爽やかなお兄さんだった


「うん!」