シンプルなメイクを終えてメイド服に着替える
相変わらずチヤホヤしてくれるクラスメイトの視線に耐え、開店の準備を手伝う
「トンボ、ちょっときて」
一通り自分の仕事が終わった時、リュードーさんからのお呼び出しがあった
執事服のままで袖をまくってセットした髪が少し乱れていた
さっきでかいの運んでたからなぁ
「はい」
リュードーさんについていくとまたあの空き教室にたどり着いた
ここにいる間は心臓が悪くなる
二人きりの空間
何を言うんだろうと大好きな人の後ろ姿を眺める
「あのさ…美優とか言う女に」
びく
飛び出た美優さんの名前に思わず反応してしまう
「文化祭終わった後呼び出されたんだけど」
ああ…告白か
行っちゃうのかな
そりゃ行くよね
やだなぁ
「俺、女相手に喧嘩したことないんだよ」
……
…は?
「え、は?」
「だから、呼び出されたんだけど、これって喧嘩だろ?でも俺女相手にやったことないからどうすればいいのか分かんねぇんだよ」
「え、いや、は?けんか、喧嘩?」
え、ちょっと待って
つまり
リュードーさんは美優さんからのお呼び出しを
告白じゃなくて喧嘩の申し込みだと思ってるってこと?
…喧嘩脳にも程があるでしょ
それで私に相談したということか
「えっとですね…とりあえず喧嘩ではないです」
「そうなのか」
「はい、だから一人で丸腰で行って大丈夫です。」
「あ、ああ」
そして私も…
覚悟を決めないとダメだ
一呼吸置いてスッと息を吸った
「それから…もし」
「…ん?」
…
「もし美優さんのお話が終わって…リュードーさんの気持ちに変化がなかったら…」
すごく変な言い方だけど
もし告白を受け入れなかったら
「私…教室で待っているので…来てくれませんか?」
「トンボが?放課後か?」
リュードーさんの表情からは何もわからない
でも…もしチャンスがあるのなら
私にそれをください
「…わかった」
私の目を見てしっかりとうなずいてくれた


