「悪」が似合わない君と。




「…リュードーさん?」


トンボがゆっくりこっちを見ようと動いた

いやまて、今はまずい!


「まっ!こっちみんな!」


トンボの頭を掴み前に戻す


「なんですか!?」

「いや、別に、あの、似合ってないわけじゃないけど」


なんか陰キャみたいな話し方になってるけど

それどころじゃねぇ


前を向いてプンスカやっているトンボ


…見下ろすと見慣れないひらひらの襟から細く白いうなじが目に入る


勘弁してくれ

とにかくめちゃくちゃ


「似合ってる…」


自分でもわかるくらい心臓がバックバク動いてる


でもその音と重なるようにもう一つ


同じような音が聞こえる



「トンボ…」


俺の前に座るトンボの耳が赤くなっている


「心臓…うるさいぞ」

「…人のこと言えませんよね」




言うようになったな…