「悪」が似合わない君と。



いつも…

ハナでいる時以外は、学校じゃなくてもこの眼鏡をかけていた


ハナであることを隠すためだけじゃない

自分と周りの間に壁を作るため


メガネという壁があるだけで私はいつも救われていた…つもりだった

守られている…気がしていた


今…私を見る周りの目


でも


不思議なことになんともなかった


今までだったらこんなことあり得なかった

不安で仕方なかった


でも今、ぜんぜん平気だ…

なんでだろう…


あ、そうだ

私もっと怖いこと経験したわ、この前

私夏兄さんと戦えたんだからこんなの屁でもないわ


それに…リュードーさんがいてくれてたから

そして今ここに…いてくれるから

平気なんだ


「ごめんね」


私はすっと立ち上がり男の子に手を差し出した

男の子はハッとして手を取って立ち上がる


「あ、えっとミスコンだったね
ミスコンは文化祭の恒例行事でミスターコンもあるんだけど
全クラスから男女それぞれ二人ずつ計4人選抜して、文化祭に来てる人たちで投票するんだよ。

それで順位を決めて、我が校のミスとミスターのNo.1決めるらしい」


なるほどーありがちー

散乱した筆箱の中身を拾いながら教えてくれた


「結構本格的なんだよ」

「そうなんだ」

「衣装もなんか白いワンピースとスーツで統一されてるんだ」


すごいなぁ

二人で地面を這いずり回っている光景を前に

不自然なくらい静かなクラス

な、なにこの沈黙…