「悪」が似合わない君と。



浜田さんとはクラスが違うから下駄箱で別れて教室へ向かう


あら

階段の前、誰かが壁にもたれかかっていた


「カイさん?」

「よお」

「どうしたんですか?」

「いや、元気かなって」


え?

なんじゃそりゃ


「会えたか?」


ああ…心配してくれたのかな


「浜田さんに会いました」

「アイツもきっといるよ」

「…ありがとうございます。カイさん」

なんか…

「ん?」

「なんだか、お兄さんみたいですね!」


私のお兄ちゃんとよく似てる

ちょっと大人なかっこよさ


「お兄さんね…俺は、いやだなぁ」

「へ?」

「お兄さんよりも恋人みたいって言われたいな」


…ん、ん?

こ、恋人?


「そ、それはどういう…」

「本当に分からない?意味」


私の頭にポンと手を置いてほんの少し微笑む


「自分で考えな」


ゆるりと振り向き、去っていく背中


か、か、カイさん…?

そ、それはだって…

それは…ま、まさか


す、…キってこと?


もちろん答えを求める相手もおらず

私はただ呆然とその場に立ち尽くしていた