「なかなかやるね。龍堂彗くんっ」
「うっ…なんなんだっ、てめっ」
なんとか攻撃を防いではいるけど
このままだとまずい…
夏兄さん…どうして
「さっきの話聞いてたんでしょ?俺のっ親の話」
「はっ…お前の親がどうなったかなんてっ俺はどうでもいいんだよ」
本当にその通りだ…
交通事故で亡くなった夏兄さんのご両親
そして…私のお母さんとお父さん
リュードーさんは何も関係ないじゃない!
夏兄さんの八つ当たりの相手をしてるだけ!
お願いやめてよ!
本当にやめて!
「夏兄さん!!!」
思わず叫ぶと2人の動きが止まる
「もうやめて!!お願い夏兄さん!!こんな馬鹿みたいなことやめてよ!夏兄さんのご両親も!私のお母さんとお父さんも!こんなこと望んでないよ!」
「はなちゃんの…両親?」
…そうか
夏兄さんは知らないんだ
私のお父さんとお母さんが煽り運転で亡くなったこと…
「トンボ…」
私が思いの外、過去に引きずられてしんみりしてしまったせいかリュードーさんまで私を見ていた
!!
ああ!だめ!
やばい!!
「リュードーさっ!」
バン!
!!
リュードーさんが私に気を取られている隙に夏兄さんが致命的な一発を決めた
リュードーさんは顔を歪ませてその場に倒れこむ
「彗さん!!」
「リュードーさん!!」
どうしようっ!
私のせいだっ