「も、もしもし?珍しいなお前からかけてくるなんて」


平静を装って喋る浜田になぜか腹を立てながら話を聞く


「は!?」




浜田の声が激しく裏返る


なんだよ、なんでそんなリアクションなの?


「おまっ!なんでシノセの携帯にお前が出るんだ!」




どういうことだ


「は?何言って、そんなことよりシノセは!」


…っ

まさか…


「おい聞いてん…!うわ、彗さん!?」


なんとなく状況を掴む

浜田の携帯を奪い、少し身構えて耳に当てた


「…おい」


自分でも驚くほどドスの効いた低い声


『あれ…浜田君?違う人みたいだね』


この声…間違いない…

あの時のあいつだ


「おいてめぇ…トンボに何もしてねぇだろうな…指一本でも触れてみろ…生きてきたこと後悔させてやる」


『トンボねぇ…心外だなぁ俺ははなちゃんの家族だよ〜?』


挑発的なその声にこめかみがピクリと動く


「家族だろうがなんだろうが関係ねぇんだよ。アイツに手ぇ出すんなら全員敵だ。」

『へぇ…そりゃ見事な愛だね。リュードーケーくんかな?』


くそ…無事なのか?

あいつはそこにいるのか?


「テメェが用があんのは俺だろ。トンボは関係ねぇ!」

『まあそうだね。俺がぶっ潰したいのは君だよ。
でもただ暴力的に潰すだけなんてつまらないだろ?だから…』


ブブッ


浜田の携帯にメールが入った

何となく嫌な予感がして勝手にメールを開く


っ!!


『はなちゃんだよ。可愛いでしょ?初めてあった時はびっくりしたよ。こんな美人が家系にいたなんてねー』


気を失っているのかぐったりと倒れこみ、腕を後ろで拘束されたトンボの写真

……っ


プツリ


俺の中で何かが切れた


「おい…今どこにいる」


これ以上好きにさせるか…

生まれてきたこと後悔させてやる


『…あ、助けに来るんだ。王子様みたいだねぇ。
あの極悪非道で有名な龍堂彗が、こんな女の子一人のために必死になってるなんて笑わせるよ』


うるせえ

なんとでも言え


トンボに触るな、トンボを返せ


はらわた煮え繰り返りそうだ…

今すぐぶっ飛ばす