「お断りします」



「…は?」



カイさんの顔が歪む



「確かにリュードーさんは強くて、私とは住んでる世界が違うかもしれません。
いろんな人にいい意味でも悪い意味でも名前を知られていて喧嘩もたくさんしてる。
でもそんなことを理由に離れて行ったらいつか絶対1人になる
あなたも、リュードーさんも」


カイさんが目を見開く


「私は少なくともリュードーさんが今の生活に満足しているようには見えない」


あの夜

喧嘩が怖い言ったリュードーさん


「あなたも知っているはずです。リュードーさんのすごいところは喧嘩が強いところなんかじゃない。
仲間思いで、優しくて、あなたを含め、浜田さんたちの期待に応えようと頑張ってる」


その重みに耐えられなくなり、あの日、路地裏に来たんじゃないですか?


「あなた方がやっていることを否定はしません。
でもこの先、またリュードーさんと親しくなった人が現れたら、あなたはリュードーさんとその人を引き剥がすんですか?
それを一生続けるつもりですか?」


そんなの間違ってる


「あなたがリュードーさんや私を想って言ってくれたことだったとしたら間違ってます。
リュードーさんのためを思うなら、こんな繰り返しの生活を変えてあげてください。少なくとも私はそのためにあの人のそばにいるつもりです。
いつか心から良かったと言えるように今を過ごして欲しいから」


いつか…両親のことを思い出しても辛くならないように…私は今、頑張っている

お兄ちゃんもそう


だから…


リュードーさんも