「君が龍堂彗君だね?」



なんだ…


喋ってるだけなのに


悪寒がすごい


「…なんだお前」



精一杯の威嚇をする


だいたいこんな風に声をかけてくるやつは喧嘩がらみだ


あんまりここでは騒ぎたくない


なんせトンボの家の前だ




なるべく穏便に済ませたいが…



目の前の正体不明な男のオーラに思うように動けない



「ねぇ…この家の子、お友達?」







ガッ!



さっきまでグタグタ言ってたオーラだのなんだのをがん無視して、胸ぐらを掴んだ



「あいつに手出ししたらぶっ殺す」



自分でも驚くほど低い声



「ふふ…よっぽど大事な子みたいだね」


余裕を見せて笑うそいつ



「……っ…てめっ」



くっそ!なんなんだこいつ!