「悪」が似合わない君と。




言ってやったと言わんばかりの圧をかけて私を見下ろすデカイ男



な、なんなんだお前は



リュードーさんの手下か?



と、いうか




なんで私がはじめましてのアンタに命令されなきゃならないの!



しかもブス呼ばわり!



「おい聞いてんのか?トンボ」



と、トンボ


私のイラつきメーターはしっかり作動し、もうすでにマックス近い



「おいなにシカトしてんだよ、ブストンボ
慧さんの前では媚び売ってるくせに」



はい、マックスを軽く超えましたね



ぎろりと男の人を睨みつける



「人のことブス呼ばわりする前に鏡見たらどうですかね?相当ひどいですよ色々と。

知ってました?この学校ピアスも髪染めもパーマをダメなんですよ!

それなのにジャラッジャラとなんかよくわからん物騒なものつけて振り回して、
センスのかけらもないだっさい髪型でオラオラ吠えて低脳のモンキー同然ですね」


私の口はスラッスラと走る


「何をかっこいいと思ってんのか知りませんがその痛々しいファッションなんとかしたらどうですか?
制服きたらどうですか?
その無駄にとがった髪なんとかしたらどうですか?
センス壊滅的です!」



あらやだ口が滑った



「正しくないことしてる自分達をかっこいいと自惚れてるだけだと思うけど
人から恐れられて、それを心地よく思ってるだけだと思うけど

正しく生きることよりかっこいい、正しくないことなんてない!」