理恵が朝陽を見ても、その視線に気が付いても朝陽は部屋から出なかった。
理恵のカバンを再び持ち、採血する様子を見ている。
「期間があいてしまったので今日は4本とります。長くなりますよ。」
「はい。」
看護師がそう言って理恵の採血を始める。
3本とったところでそこの血管が使えなくなってしまい。もう一度別の場所に針を刺すことになった。

「ちょっと・・・」
さすがにくらくらして気分が悪い・・・。
理恵が机にもたれかかると朝陽がすかさず支えた。
看護師も手をとめて注射針を一度置く。
「和田さん?大丈夫ですか?」
「ちょっとくらくらして・・・。」
椅子に座っているのもしんどい。
目を開けようとすると視界がゆがんで見える。
「貧血ですね。ちょっとベッドに横になりましょうか。横になってからもう一本とらせてください」
看護師が理恵を支えようとすると朝陽が「私が支えます」と看護師を止めた。