私は次に棗を見た。
相変わらず表情を変えずに警戒することもなくただ私を見つめている。
「はー。棗。貴方が原因なんですから美幸さんを傷付けずに止めてくださいよ。」
無限は苦々しく言って倒れているアキラの元に行く。
私は頭を振って頭の中の声を絶ち切ろうとする。
過去のあの人たちの声。
自分を見えない鎖で縛り続ける声。
私は強くなった。
もう何もできなかったあの頃の私じゃない。
そう思っても一度思い出すとフラッシュバックは止まらなかった。
よろよろと棗に向かい合う。
しかし私の瞳に写るものは棗ではなく別人。
棗の姿にそいつが被っているだけ。
私は自分の体から出ている殺気を隠すことなく棗にぶつけるが、棗は涼しい顔でそれを受け止める。
バッと走りだし蹴りを繰り出すがその攻撃も避けるだけの棗。
私の左蹴りがまたも棗の右手で止められる。
棗は私の受け止めた左足を自分の方に引っ張る。
バランスを崩しそうになるが直ぐに体を整え肘鉄を横腹に入れた。
しかし棗は私の肘鉄を横に払ってサッと私の目を右手で覆う。
「っ!?」
突然のことに私はジタバタ暴れるも棗の手が緩むことはなくむしろそのまま私の体を抱きしめてきた。
「っや!!…いや……いや!!」
「…ここにはお前を傷付ける人間はいない。過去に負けるな。」
相変わらず表情を変えずに警戒することもなくただ私を見つめている。
「はー。棗。貴方が原因なんですから美幸さんを傷付けずに止めてくださいよ。」
無限は苦々しく言って倒れているアキラの元に行く。
私は頭を振って頭の中の声を絶ち切ろうとする。
過去のあの人たちの声。
自分を見えない鎖で縛り続ける声。
私は強くなった。
もう何もできなかったあの頃の私じゃない。
そう思っても一度思い出すとフラッシュバックは止まらなかった。
よろよろと棗に向かい合う。
しかし私の瞳に写るものは棗ではなく別人。
棗の姿にそいつが被っているだけ。
私は自分の体から出ている殺気を隠すことなく棗にぶつけるが、棗は涼しい顔でそれを受け止める。
バッと走りだし蹴りを繰り出すがその攻撃も避けるだけの棗。
私の左蹴りがまたも棗の右手で止められる。
棗は私の受け止めた左足を自分の方に引っ張る。
バランスを崩しそうになるが直ぐに体を整え肘鉄を横腹に入れた。
しかし棗は私の肘鉄を横に払ってサッと私の目を右手で覆う。
「っ!?」
突然のことに私はジタバタ暴れるも棗の手が緩むことはなくむしろそのまま私の体を抱きしめてきた。
「っや!!…いや……いや!!」
「…ここにはお前を傷付ける人間はいない。過去に負けるな。」