本気で体の上に乗ってこようとする棗をタイミングよく入ってきたアキラと無限が引き剥がしてくれた。





私はひーーっと無限に抱きつき、暫くの間棗との睨み合いの抗争をしたのだった。






次の日晴れて退院となった私はその足で直ぐに斎の部屋を訪れる。






斎は環と楽しそうに話していた。






「あ、美幸ちゃん！！環から話聞いたよ！竜牙の総長ぶん殴ったんだって？」






楽しそうに笑っている斎を見て私は微笑んだ。





「……良かった斎。」






その笑顔をまた見ることが出来て……






私は思わず斎に抱きついた。






初めての行動に斎は動揺するも少しだけ震えている私に気付いてそっと抱きしめてくれた。






「……ごめんね、心配かけて」






無言で首を振ると斎は力強く言った。





「今度は絶対に守るから。」






「私も守る。」





それじゃ意味ないよーと斎は笑った。






斎の退院は問題がなければ二日後だそうだ。






私たちはいつものリムジンで黒羽の倉庫に戻った。





2階へ上がって定位置に座ると改めて自分がこの空間に馴染んでいることを感じた。





「……私皆のこと大好きだ」