「言ってない。もういいかなって思って」
「もしかして、諦めてるの?」
「うん。このままいても辛い思いするだけだし。叶逢には申し訳ないけど」
「そう思うなら!ちゃんとしてよ!」
スケート場に叶逢の大きな声が響く。
何事かと全員がこちらを見て、注目の的だ。
「ちょっと、すいませーん。」
咄嗟に謝り、興奮状態の叶逢を落ち着かせることにした。
リンクを出て、近くにあるベンチに腰をかける。
「ねぇ、お願いだから1人にしないで……」
「叶逢は、ひとりじゃないじゃん」
「どこが!?学校では一般人が、とか色々言われるの。そんな時頼れるのは茅菜だけなんだよ」



