曲が終わるとニコニコしながら茅菜の元に戻ってきた。










「どうだった?」







「前よりよかったよ」






「ほんと?」








「うん。でもしいって言うなら指先までちゃんと伸ばした方がポイントは高い」








「分かった!」









勢いよくリンクに戻り、最初っから滑り出す。







そんな叶逢を眺めているとポケットに入れていた電話がぶるっと震えた。










「もしもし」







『もしもし。茅菜か?』







「はい。お父様」







「来週の日曜日だが、パーティーが入った。そこにお前も参加しろ」







「パーティー?そういうのは苦手なんですが」







『いいから。お前の会社をアピールする場でもあるんだそ』







「っわかりました。」










『明日ドレスを確認しに行くから、付いてきなさい』







「はい」









一方的に話されて、一方的に切られた。





そんな雰囲気が、大っ嫌いだった。